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四角い花園
江頭 誠 Makoto Egashira

2023.6.16Fri - 2023.7.15Sat

Opening reception

2023.6.16Fri 18:00 - 20:00

hpgrp GALLERY TOKYOより、江頭誠個展「四角い花園」の開催をご案内申し上げます。

1986年に三重県で生まれ、2011年に多摩美術大学美術学部彫刻学科を卒業した江頭は、花柄やバラ模様の毛布を用いた作品を中心に制作しています。第18回岡本太郎現代芸術賞・特別賞や、SICF17グランプリ受賞、六本木アートナイトやBIWAKOビエンナーレなどのアートフェアへの参加や、美術館での展示など、着実にアーティストとしての実績を積みながらも、ミュージックビデオやファッションブランドのショートフィルムへアートワーク提供を行うなど、さまざまなフィールドで活動の場を広げています。

それほど遠くない時代まで日本の家庭で一般的であった花柄の毛布は、ある世代より前の人々にとってはごく日常的なアイテムとして現在も使われ続けています。戦後に発売された寝具に花柄が多かったのは、単に汚れが目立たないからという実用的な理由以外に、当時の日本における「西洋=高級」という認識に基づいていると言われています。贈答品として毛布の需要が多かった時代に、高級なイメージとしてロココ調のバラ模様があしらわれるようになりました。

高度経済成長を終え、西洋への憧れが薄れた日本のライフスタイルに合わせて家具や寝具がよりモダンでシンプルになった現在、花柄の毛布は時代遅れのアイテムとなりました。江頭も、特に意識することなく使っていた花柄の毛布を友人から「ダサい」と指摘されたことをきっかけに、その存在に意識を向け始めます。ここまで主張の強い模様がなぜ今まで目に入っていなかったのかという疑問と、毛布を持たせてくれた母親への想いが交差する不思議な感覚だったと言います。

また江頭は、ロココ調のバラ模様と毛布という組み合わせから、戦後の日本において「豊かさ」を軸として奇妙に発展した和洋折衷に興味を抱くようになります。日本の家にヨーロッパ的な要素を取り込んだ「洋間」や、アメリカの高級車に日本の伝統的な建築を乗せた「霊柩車」など、歴史を反映する日本独自の価値観を批評的に取り入れた作品を発表してきました。

hpgrp GALLERY TOKYOでは初となる本展では、第18回岡本太郎現代芸術賞で特別賞を受賞した作品「神宮寺宮型八棟造」を中心に、新作を発表いたします。この機会にぜひご高覧くださいますようお願い申し上げます。

アーティストコメント


こんにちは!作家の江頭誠です。


私が霊柩車をモチーフとした作品、「神宮寺宮型八棟造」を制作していた当時、日本独自の和と洋がMIXされた文化について考えていました。


花柄の毛布は日本で独自に発展していったものですが、花柄にロココ調のスタイルが多くみられます。霊柩車も、上が宮型の和、下がリンカーンのコンチネンタルの洋と、二つの様式が組み合わせられています。それから、日本のMIXカルチャーに着目した作品を作り続けていました。


だけど、そのような作品を作り続けていくにつれ、作品の中に自分の存在があまり感じられないことに気がつきました。自分の言葉が薄れ、なぜこれを作っているのか?と疑問を感じ始めたんです。


過去に作った霊柩車の作品にはわかりやすいきっちりとしたテキストを添え、その後も扱うモチーフは形がはっきりしたものを選ぶこと、作品には隙を見せないことを意識していたのですが、ある日、それを続けることに苦痛を感じはじめ、そこからは徐々に話言葉のように自分の言葉でテキストを作り、形もあいまいで、作品は脆く、隙だらけだけど、遊びと余白を残すように変化していった気がします。


そして、一番は「自分が楽しんでいるかどうか?」というところを大事にするようになりました。


本展で霊柩車の作品を今の自分のスタイルで展示するにあたり、過去を否定したいわけではなく、過去の自分と向き合いながら、今の自分が楽しんで、新たな遊びが生まれたらなと思ってます。


- 江頭 誠


©︎ Makoto Egashira 2023

江頭 誠 Makoto Egashira

2011年 多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業

主な個展​
2022年 「床の間」 NEWoMan横浜(神奈川)
2022年 「毛布の毛皮Ⅳ」代官山TSUTAYA(東京)
2022年 「+おまけ」NADiff a/p/a/r/t(東京)
2022年 「ドッグ・ラン」Lamp harajuku(東京)
2021年 「イミテイション・オニキス」阪急メンズ大阪・東京(大阪・東京)
2021年 「やわらかいフィールド」NEW PURE+(大阪)
2020年 「Entrance」とじこみ(東京)
2020年 「イミテイション・オニキス」RCホテル京都八坂(京都)
2019年 「あいまいないま」多摩美術大学彫刻棟ギャラリー(東京)
2018年 「MIX☆アイランド」H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHI(東京)
2017年 「SICF17 グランプリアーティスト 江頭誠 展」ワコール スタディホール京都(京都)
2017年 「江頭誠 毛布アート展」京都西川(京都)以後2020年まで毎年開催
2017年 「あいまいな春」Lamp harajuku(東京)
2016年 「Rose Blanket Collectionʼ16」スパイラル1F ショウケース (東京)

主なグループ展
2023年 「六本木アートナイト2023」 六本木ヒルズ(東京)
2022年 「B・O・N・S・A・I」 銀座TSUTAYA(東京)
2022年 「狗楽園」 Printed Union(東京)
2022年 「天使数字」 都内民家(東京)
2022年 「B I W A K Oビエンナーレ」近江八幡市 禧長(東京)
2022年 「花と毛布」SHEEP ラフォーレ原宿(東京)
2022年 「THE FICTION」Gallery Marco(大阪)
2022年 「来来来展」渋谷東口ビル11階(東京)
2021年 「一陽来復 展」パークホテル東京(東京)
2021年 「ギフト、ギフト、」八戸市美術館(青森)
2021年 「ダディーズ」VOU(京都)
2021年 「シブヤク・ニッポン」西武渋谷(東京)
2020年 「BIWAKOビエンナーレ2020」彦根市 山の湯(滋賀)
2020年 「UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川2020」抜里駅(静岡)
2019年 「おやすみコロニー」アーツ千代田3331 アキバタマビ(東京)
2019年 「自分らしさの物体練習Ⅱ」伊勢丹新宿店メンズ館(東京)
2019年 「六甲ミーツ・アート芸術散歩2019」六甲山(神戸)
2019年 「UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川2019」抜里駅、五班集会所(静岡)
2018年 「BIWAKOビエンナーレ2018」近江八幡市街(滋賀)
2018年 「rooms EXPERIENCE37」五反田TOCビル(東京)
2018年 「Pⁿ – Powers of PLAY –」東京藝術大学大学美術館陳列館(東京)
2018年 「ニュースターアートコレクション」松坂屋名古屋店(愛知)
2017年 「シブヤスタイル vol.11」西武渋谷(東京)
2017年 「アートラインかしわ」柏タカシマヤ(千葉)
2017年 「DESIGNART 2017 A(LeFRUDE)E×江頭誠」LOVELESS(東京)
2017年 「六本木アートナイト2017」六本木ヒルズ(東京)
2017年 「SICF17受賞者展」スパイラルガーデン(東京)
2017年 「飯島モトハル コレクション展『綺麗なドレス』」TAV GALLERY(東京)
2016年 「the art fair +plus-ultra 2016」スパイラルガーデン(東京)
2016年 「わのはかい」IID 世田谷ものづくり学校(東京)
2016年 「SICF17」スパイラルホール(東京)
2015年 「第18回岡本太郎現代芸術賞展」岡本太郎美術館(東京)


受賞歴
2016年 「SICF17」グランプリ受賞
2015年 「第18回岡本太郎現代芸術賞展」特別賞受賞


アートワーク提供
2022年 GUCCI ショートフィルム「Kaguya by Gucci」
2021年  Y U K I M V「My lovely ghost」


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